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【緊急対談】「大企業経営者から君たちへ、渡したいバトンがある」

2017年2月18日、一つのイベントが開催される。その登壇者は、リクルート、JTという日本を代表する企業において、30代という異例の若さで経営層へと抜擢された二人だ。イベントでは、そんな二人は下の世代に何を期待し、どんなバトンを渡すのかについて、講演や座談会を行う。今回、就プロ編集部は、そのイベントの打ち合わせに潜入。そこで語られたメッセージの一部分をお伝えしていく。若くして日本が誇る大企業のトップに上り詰めた二人からのメッセージを、是非皆様に受け取って欲しい。

2017.01.25.Wed

2017年2月18日、一つのイベントが開催される。

 

登壇者の一人は、売上収益2兆円以上を誇り、たばこでは世界でもシェア3位を誇る国内最大級の企業、JTから。そんな大企業で史上最速、30代という若さで執行役員に就任した筒井岳彦氏だ。

 

もう一人は、挑戦、創造といった風土で革新的な事業を産み出し続ける、日本が誇るイノベーションの雄、リクルートから。同じく30代という若さでリクルートホールディングスの執行役員に就任。また、リクルートマーケティングパートナーズ代表取締役も兼任する山口文洋氏だ。

 

大企業は、出世までに時間が掛かる。ベンチャー企業に比べると成長が遅い。そんなイメージを持つ方も多いだろう。そんな中、日本のエクセレントカンパニーにおいて、30代という異例の若さで「経営層」にまで上り詰めた二人。

 

二人はなぜ、若くして日本を代表する企業の経営者となることができたのか。二人は今後何を果たして行くのか。そして、どんなバトンを次の世代に渡していくのか。

 

そんな点について二人の経営者から直接話を聞くことができる。また、受け身で話を聞くだけでなく、経営者と直に接し討論することができる。そんなイベントだ。

 

今回、就プロ編集部は、そのイベントの打ち合わせに潜入。そこで語られたメッセージの一部分をお伝えしていく。

 

若くして日本が誇る大企業のトップに上り詰めた二人からのメッセージを、是非皆様に受け取って欲しい。

当イベントの詳細はコチラ

「大企業経営者から君たちへ、渡したいバトンがある」イベントページ

若き二人の経営者はどのようにその座を掴んだのか。

ー本日はよろしくお願い致します。

 早速質問に入らせて頂くのですが「大企業では若くして大きなことはできない。」そんなイメージも根強いのではと思います。そんな中でお二方は30代で日本を代表する企業の経営者になられたと。「そんなことありえるのか?」という学生も多いのではと思います。

 まずは、お二人が若くして日本を代表する経営者になられた背景をお伺いしたいと思います。まずは山口さん、いかがでしょうか。

山口:正直な所、私が経営者として選ばれた理由は教えて頂いていないので、謎です。ただ、自分なりに「何でかな?」と考えると、経営者になれた要因は「リクルートの経営理念を体現している奴だ」とよく言われる点にあるのかなと思います。

リクルートという会社は、新しい価値を創造する会社、一人一人の社員がボトムアップで価値を考え、挑戦し、産み出していく会社です。

私も社内のビジネスコンテストからスタディサプリという事業を立ち上げていて。「教育が行き届く世界を作る事業」という価値を創造するための挑戦をしています。

「経営理念を体現している者が、経営者となるべきだ、社員全員の先頭に立つべきなんだ」と考えると、足りないところもあるけれど、今も絶賛挑戦中だよねということで私を経営者にしたのかなあ、と捉えています。

ーそれだけを聞くと、事業部長というポジションでも良いのではと思ってしまうのですが、なぜ山口さんが事業部長ではなく、経営者の一員として選ばれたのでしょうか。

山口: 新規事業を創造する以外のスキルや実績という面でも評価していただいたのかもしれません。 例えば、私は社長になる前の数年、スタディサプリの立ち上げをしながらも、ゼクシィのような大規模事業の変革を担う、不採算事業を泣く泣く撤退させるなど、様々な事業を手がけました。

単純に0→1ができるだけではなくて、様々な事業をパラレルに、ドラスティックに経営できることを評価して頂いていたのだろうと。

ーパラレルに、ドラスティックに、というのは難しそうですね。アーティスティックな部分もあるのではないかと想像しているのですが。

山口: そうですね。私はよく経営の仕事を「映画監督」に例えています。何年か社長を任せて頂いている期間の中で、最終的にこういう魅力的な会社を作りたいんだというWILL・ゴールがあって。

それに向かって、各事業をどのようなストーリー・脚本で成長させていくのか、メンバーというキャストをどういう風に配置するとそのメンバーが輝いてくれるか。そうやって事業戦略を策定したり、組織・文化構築を行うことは、まさに経営者が映画監督に似ている部分だと思っています。

但し、映画と違い脚本通りに行くことはないので、色々な苦闘や修羅場はあるのだけれど、その時その時丁寧にチューニング・ピボットをしながら日々メンバーとゴールを目指しています。そして数年後に「もっと魅力的な会社ができたぞ」ということを監督として、経営者として達成したいなと。

ーありがとうございます。筒井さんはいかがでしょうか?

筒井:私は経営者の仕事とは、会社の未来を支えることだと考えています。山口さんからリクルートの経営理念のお話が出たのですが、その点JTは対照的な会社だと思います。非常に成熟したビジネスを行っている。しかし、グローバルに広げていくという観点でいくと、成熟している中でも成長できる企業です。

そんな事業環境の中で、若い経営者として未来を作り上げていく。会社を変革していく。そういったことを期待されていると考えています。

ーなるほど。経営者の仕事とは未来を支えること、作ること、ということですが、どういう未来を描いているのでしょうか。

筒井:「JTはたばこ産業です、企業Aはメディア産業です」のような、いわゆる産業分類表的に世の中を切るのが正しいのか、という疑念がまずありまして。

私は、「JTは『価値』を提供する会社です」という未来、世界観を描いています。How toは時代と共に変わる。たばこかも知れないし、そうじゃないかも知れない。でも、その価値を提供する会社としてはJTが一番だと。そういう風に会社を捉え直そうなんて思っています。

たばこという商品の価値は、単にたばこを吸うだけでなく、会話の道具にもなったり、一人になる道具でもあったり、シーンをセットする道具であったり。

たばこが減っていって、そういう価値が減ってしまうとしたら、他のプロダクトやサービスで提供していきたいと考えています。その為には、自分たちがどの産業ドメインにいるのかではなくて、どの価値ビジネスに錨を降ろしているのかという規定をしたいなと。

単なるたばこ屋さんではなく、JTは価値のプロバイダーで、その価値を提供する一つの手段がたばこであり、また他の商品やサービスであり、という会社の未来を考えています。

二人の経営者が語る、20代で意識すべき「成長」とは。

ーありがとうございます。お二方のお話を聞くと、パラレルに経営する、会社の未来を描き支える、そんなことをされていると。ただ、それって凄い人だけの特殊能力なのではないか、30代で経営者になる人は特別なんじゃないかという疑念も沸きます。

 是非、これから社会に出る20代に向けて、成長するためには、為したいことを為すためにはどうすればいいかというメッセージを頂ければと思います。

筒井:私が凄いことをやったかというと、一つひとつはとても地道で。上司から「コピー取ってこい」なんて言われることから始まり、今は会社経営をやっている。

その中で言うと、好奇心の強さと、好奇心の対象に対して柔軟な人は成長が大きい。凄く基本的なメッセージになってしまうんですけれども。

「コピー取ってこい」と言って、好奇心が強い人はコピー機の操作が上手くなる。くだらない仕事やらせやがって、なんて人はずーっと同じレベルの操作をしていて。

コピー取りはキラキラした仕事ではないかもしれません。でも、1日目、2日目、3日目で成長して。コピー機だけでなく他の業務もそうですが、一つひとつは小さい成長とはいえ、それが3年、1000日積み重なったら、そこで実は凄く大きな差が付く。

ただ、こういうことを頭では分かっている人は多いと思うんですけど、本当に一つひとつきちんとやれている人は少ない。

ー山口さんはいかがですか。

山口:筒井さんが仰られたのは本当にそうだなと実感しています。そこから派生すると「やりたいことが明確です、教育に興味があって、NPOでインターンしていて、教育事業をやりたいです!!」という人も、熱意があって良いのですが、意外に伸び悩んでしまうことがあって。

教育に興味がありすぎるが故に、教育以外の分野、業務に対する注力が薄れてしまうからかもしれません。

「今までは体育会に夢中でした、世界中放浪するのに夢中で、仕事とかはやったことがありません、でも世の中に貢献したい気持ちはあって、最初は右も左もわからないけど、5年間丁稚奉公でもいいからなんでもします!!」なんていう人の方が成長したりするんですよね。

ーなるほど、なんだかイメージが付く気がします。ただ、そんな中でも就職活動、面接で「やりたいことは何ですか」「就職活動の軸は何ですか」なんて、やっぱり聞かれるので、そういうのが無いといけないんじゃないかと、多くの学生が不安になってしまうのではないかと思うのですが。

山口:確かに、やりたいことは新卒のタイミングで決めてもいいのかもしれません。

ただ、新卒で会社に入って色々な経験をした後に、その会社で働き続けたいと思うのか、別のやりたいことを見つけて次の会社に行こうと思うのか、そこでまた決断をするというのは「全然あり」だと思います。やりたいことが一定だということは少ないと思うので。

私はとにかく20代のうちは大企業でもベンチャー企業でも起業でもいいので、いろいろ挑戦して失敗をたくさん積んでほしいと思っています。でも大勝負は30代でいいんじゃないかな、と思っています。

例を出すと、シリコンバレーも平均起業年齢は38歳なんですよね。30代中盤までは色んな会社で下積みがあって、その下積みの分、大きな事業が作れる。

ゲームやコミュニケーション系のスタートアップなど、20代の起業家が成功しているイメージが強いですよね。実際にその例も多いです。でも、良く見ると、製造業や教育業界など、既得権益があって、複雑なバリューチェーンを持っている、そんな大きな産業ドメインにおいて、20代のうちから起業して成功している人は、ほとんどいないんじゃないかと思います。

社会を変革するような大きな価値創造をしたいなら、やはり大きな産業ドメインで挑戦した方がいいと思います。だから20代のうちは、日本のエクセレントカンパニーと呼ばれる様な企業、それこそJTさんなどで、色々なノウハウとか働き方を学んだほうがいいぞと、そんな風に思っています。

我々リクルートにもたくさんのノウハウがあって。例えばゼクシィという事業は結婚市場における情報インフラになっています。そんな事業がどのように成長してきたのか?事業における秘伝のタレは何なのか?などを近くで見て学ぶことで、たくさんのことを知ることができます。

20代のうちにこういう事業の創り方・磨き方をきちんと学んでいくと、30代になって自分が「こういう壮大なものをつくりたい」というWILLを持ったときに、ゼクシィではこう運営していたな、こういう作り方をしていたな、といったように、その学びを活かすことができる。

ー筒井さん、いかがでしょうか。

筒井:私も山口さんに同意ですね。夢のような仕事や大勝負はすぐにできなくても、一つひとつを夢中でやっていく中で色んな成長が得られる。ただその成長はすぐに気付くものではなくて、後々「あぁ、あのおかげで俺は腹筋背筋が付いたんだな」と感じるケースが多いです。

目に見える成長を求めがちな中で、そのときはやってて意味があるのかと理不尽に感じるけど、気付いたら成長している。

私も入社して一番最初の工場の仕事が、宴会を仕切る仕事でした。宴会が終わってみると、上司から呼ばれて2、3時間説教をされて。招待の仕方が悪い、段取りが悪い、参加者に気を使っていないなんて言われて。そんなことはないのにと。

たかだか歓送迎会で、みんなハッピーそうだったし、何でそんなことを言われなきゃいけないんだ、なんてそのときは理不尽に感じていたんですが。それが身体に染み付いて、いざ誰かと会食をしますと言ったときに、その方から、心地よい礼儀作法だと褒められて、新たな繫がりができる。

一つの例ですが、そういった学びは我々の様な会社にはたくさん落ちていて。

ーいわゆる守破離、型を学んでいくことですよね。

筒井:そうですね。さらに型から出る所までやると、強い人材になる。

型に入るっていうのも苦痛だし、その型を何とか出よう、何とか破ろうという所も苦痛だし。でもそれをきちんとやり抜いて20代のうちに色んな筋肉を付ければ、それはもうスタートアップしても良いと思うし、会社の中で新規事業をやっても良いと思うし、経営をやっても良いと思うし。

社会人としての最初の年月を、様々なノウハウが溜まっている会社で良い意味でもがいて、地盤を固めて行くっていうのは良いんじゃないかなと思いますよね。

後継者に期待するのは「WILL」と「やり抜くこと」

山口:ですね。私たちも一人ひとりのことはきちんと考えて仕事を振るので、まずは好奇心と興味を持って、やれるだけやってみてよと思います。

20代のうちって仕事のミッションは自分で決めるものというよりかは、私たちのような上司から振ってくるモノの方が多いんです。そのミッションに対して、好奇心を持って、圧倒的にやりぬいて、こっちも予想だにしなかった結果を出す。

そうすると上司は「こいつ面白いな」と言って、また新しいミッションを課す。するとまた圧倒的にやりぬいてくる。本当に爆発的に伸びている人は、そういうプロセスを踏んだ結果なんですよね。

さらに言うと、ミッションに対して毎回圧倒的なやりぬきで圧倒的な成果を出す、そういった人たちには、「与えられることをやり抜くだけ」という状況から、自らミッションをデザインして「これをやりたいんだ」と主張するようになって欲しいなと期待しています。

やり抜いて、信用のクレジットが溜まっていることを前提として、そこに「私はこれを人生かけて、この会社でやりたいんだ」というWILLが重なると、上としては「じゃあこいつにやらせてみよう、こいつにBETしてみよう」って思いますよね。

ー熱いですね。こいつにやらせてみよう、というお話がありましたが、まさに山口さんが下の世代にどういうバトンを渡すか、という所だと感じました。筒井さんはいかがでしょうか?

筒井:詳しいことはイベントの場で話したいと思っているので、さわりだけを話そうと思います。

まず、私はバトンを守って次の世代に大事に渡すという意識かというと、そうではなくて。じゃあどういう風に次の世代に繋がっていくかというと、機会を与える、提供する、というのは凄く大事だなと。

そのためにはスペースを空けなくてはならない。自分がある職務にずっと取り組んで、伸ばしていく、というのも嫌いではないですけど、これをやっていたらスペースが空かない。そうすると後継者への機会提供が減って行ってしまうので、意識的にスペースを作りにいく。

じゃあスペースをつくって自分はぽけーっとしたいのかというとそうではなくて、自分は皆がやっていない所にまた職務を見つけて。そこをぐっと広げて、こんな風に会社を良くして行こうと努力する。そしたらその分そちらが忙しくなって、元いた所はできなくなって、そうするとスペースが空く。

そのホワイトスペースに、「私がそこをやります」とガッツのある人、山口さんのお言葉を借りるとすればWILLを持つ人ですね。そんな人が、うぉー!と飛び込んでくる様な構造がつくれると良いなと。

理想的には、自分が空けた所に飛びかかってくれるような人に跡を継いでもらいたいと考えていますし、そういうことが鎖のように次の世代に、また次の世代にと繋がっていると、強い組織と言えるのではないかなと考えています。

ーお二方とも、非常にイメージの沸きやすい説明をして頂き、ありがとうございます。様々なトピックについてお話を頂きましたが、それぞれイベントの場でより詳しく語って頂けるということで、大変楽しみにしています。

 最後に、イベントに向けたメッセージをお願い致します。

筒井:私自身、イベントを非常に楽しみにしています。講演させて頂くのはもちろん、学生の皆様とお話させて頂けるのが凄く楽しみで。ぜひ積極的な学生の皆さんに、スマートでなくても良いので、切実な思い、悩みを語って頂いて、私自身も刺激を頂ければなと思っています。

山口:イベントでは是非色んなことを熱く語りたいなと。やはりメディアを通じて伝わる部分というのはほんの一部分でしかなくて、当日そこに来てくれたからこそお伝えできる話もたくさんあると思います。当日はよろしくお願いします。

ーお二方、本日はありがとうございました。是非たくさんの方に応募頂き、有意義なイベントになれば良いなと、一同願っております。

「大企業経営者から君たちへ、渡したいバトンがある」イベントページ

当イベントの詳細はコチラ

 

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