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なぜ僕らは「キャリア」なんてものを考えなくてはいけないのか

これまで日本の様々なキャリア教育の仕組みづくりに関わり、47都道府県、海外でのべ10,000人以上の若者のキャリア相談に乗り続けてきた喜多氏。社会、学生の両面からキャリアについて向き合い続けてきた喜多氏から「キャリア教育の本当の意味」について話を聴いた。

2016.11.17.Thu

喜多恒介氏は、現在、慶應義塾大学大学院の2年生だ。「オリンピックまで学生を続け、日本のキャリア教育のシステムを整える」と語る喜多氏はこれまで、日本の様々なキャリア教育の仕組みづくりに関わってきた。代表的なものとしては、キャリア大学、トビタテ!留学JAPAN、G1Collegeなどがある。

喜多氏は「人と人とのつながりで社会をより良く」するというテーマで活動をしており、47都道府県のみならず、東南アジアでも若者のキャリア相談に乗り続け、その数はのべ10,000人にのぼる。今回は社会の仕組みづくりと学生のキャリアといった両面と向き合い続けてきた喜多氏から、「キャリア教育の本当の意味」について話を聴いた。

キャリア教育って何なのか

13668838_1058691957559096_1841171960441163928_o世の中の社会人は、「キャリアについて考えろ!」「やりたいことを見つけなさい!」なんて言うけど、本当にそれは正しいだろうか。

そう叫んでいるおっさんのほとんどは「私が大学生の頃は、将来のことなんて全く考えたことなかったがね!はっはっは!」と裏では言っているのを、僕は知っている。何で今になって、僕らだけ、わかりもしない「将来のコト」について考えなくてはいけなくなったのか。

「こういうことはとりあえず、文部科学省に聞いてみよう」ということで公式HPを漁ってみると「キャリア教育とは何か」という「怪文書」が発見された。

やたらと長いので、詳細に興味がある人は最後に載せるファイルのリンクからチェックしてほしい。その長い長い内容を一言でまとめるとこんなかんじだ。

「世の中がヤバくなってきたから、生き残れる人材を育てなくては」

なんということか。今までの教育では、僕らは生き残っていけない、というのだ。そもそも、こんな社会に誰がしたんだよってツッコミもあるかもしれないけど、済んでしまったことは仕方がない。甘んじて受け入れ、僕らは生き残ろうではないか。

で、何をすればいいのか。例の「怪文章」にはこんなことが書いてある。

キャリア教育における「基礎的・汎用的能力」は、「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」 「キャリアプランニング能力」の4つの能力によって構成される。

な、なんと。「友達や仲間を沢山つくれて、世の中のために役に立とうという意識が高くて、自己分析ができていて、ストイックで前向きで、課題を見つけ情報を集め分析し計画し実行できて、働くことの意味を理解し主体的に行動する人」を育てるのが、キャリア教育だというのだ。なんたるPERFECT HUMAN。オリラジ中田もびっくりの究極完全体グレートモスだ。

そりゃ、そんな人間が日本に溢れたら、日本は救われる。5人をひとまとめにしていったら、エクゾディアが1万体現れる。エクゾディアフレイム×10,000で、アメリカも中国もロシアもインセクター羽賀もワンパンだ。

「生きるため」にキャリア形成が必要だ

冗談はさておき、とりあえず国は「そんな人材」を求めているということだ。考えてみれば当たり前の話で、グローバル化の中で国際競争が激しくなり、その中で日本だけ人口が少なくなるんだから、現状のパワーを維持しようと思ったら、一人一人がレベルアップしていかなければならない。

「そんなの僕には関係ない」と言っている人には残念なお知らせなのだけど、「そんな人材」にならないと「生き残れない」のが、現実らしい。人工知能やロボットによって、頭脳労働も単調な仕事もどんどんと消えていく。

例えば、僕の東大の医者の友人が、一定条件下で人間よりも精度の高い診断をする「人工知能診断システム」をつくってしまったし、あと何年か後に自動運転が実現したら、タクシードライバーの仕事はどうなってしまうのか。

旧い仕事が奪われ、「そんな人材」以外の人は淘汰される…というのは言い過ぎかもしれないけど、本当かもしれない。

ここで話を戻そう。なぜ、僕らはキャリアについて考えなければならないのか。どうやら、「生きるため」らしい。就活のためのとか、そんな目先のことではなく(もちろん大事なのだけど)、一人の人間として、変化の多い時代に適応して、自分のみならず周囲も幸せにする人として、考えなければいけないのだ。

やりたいことを見つけたり、なりたい姿をイメージできるのは当たり前で、自分の強み、社会での役割、生かし方、全部考えなくてはいけない。今の学生という身分で、考え切るのは難しいけど、できるところまでは考えておきたい。霧の中で10m先は見えないけど、目先の状況と、遠くにある灯台だけは見ることができる。

パーフェクトヒューマンじゃなくてもいいから、自分なりに、できるところから、一歩でもそれに近づこうとする姿勢こそが大事だと思うし、そっちの方が人生楽しいんじゃないかなーって個人的に思っている。

 

「就活」は自分の人生と向き合う絶好のタイミング

ところで、キャリア教育における「基礎的・汎用的能力」といわれる,「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の4つなんだけど、どこかで見かけたことはないだろうか。

実はほぼまるまる、就活で企業が語る、求める人材の条件に合致しているのだ。

「人間関係形成・社会形成能力」
リーダーシップがある、周りと協力できる、主体的で、社会貢献意欲がある

「自己理解・自己管理能力」
自己分析がしっかりとできていて自分の強みや弱みを理解して、自分のペースで目的に向かうことができる

「課題対応能力」
クリティカルシンキングで課題を発見し、課題に対して自分で足を動かして解決に向い、そのトライを評価してまた次の改善につなげる

「キャリアプランニング能力」
企業分析、業界分析、社会分析ができていて、そのなかで自分がどう働くべきなのかがわかっていて、主体的に働ける

なんてことだ。キャリア教育をちゃんと受けていれば、就活なんて微塵も気にしなくていいはずなのだ。「就活」ってわざわざ意識して頑張らなくても、中学、高校、大学と自然とそのような素養を身につけていれば、就活に困ることは殆ど無くなるだろう。

就活でわざわざ自己分析とか業界分析をするのは、今までそういうのを怠っていたツケともいうことができる。

だからこそ、就プロが存在する意義があるのだ。 ここでは企業分析ができて、インタビューがあって、行動機会があって、何でもある。でも、君たちがキャリアを真剣に考えたいと思わない限りは、意味のないメディアになってしまう。だからこそ、僕はこの記事を書いたし、この記事をきっかけに一人でも多くの大学生が自分の人生と社会の行く末と向き合い、自分のキャリアを主体的に選択してもらうことを、心より願っている。

-Kosuke Kita-

12188147_1480224858953756_5287296353842377376_o喜多恒介氏 プロフィール

東京大学農学部卒、慶應義塾大学大学院2年。「人と人とのつながりで社会をより良くする」をテーマに、株式会社、社団法人、NPOなどを複数経営。キャリア大学、トビタテ!留学JAPAN、G1Collegeなどの立ち上げに関わり、現在はキャリア支援団体エンカレッジで全国47都道府県を舞台に活動中。

引用

文部科学省「キャリア教育とは何か」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/16/1306818_04.pdf

エンカレッジ2020

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