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「勉強はできるが仕事はできない人」にならないために【細谷 功】

原子力技術者を経て、コンサルタントとして活躍する細谷 功氏。著書の「地頭力を鍛える」「具体と抽象」などは学生やビジネスマンから高い人気を博しており、一度は目にした方もいるのではないでしょうか。そんな細谷氏の語る「思考」と「キャリア」。ビジネスマンとして活躍したい、活き活きと働きたい就活生必見の内容です。

2017.06.19.Mon

はじめに

はじめまして。これから記事を連載していく、細谷功と申します。今回「就プロ」という大学生のキャリア選択にまつわるメディアに連載を開始する上で、「学校では教えてくれないビジネス脳の作り方」というタイトルを付けました。

学生の皆さんの中には、「社会人生活」や「就職活動」について、何らか不安を感じている方も多いのではないでしょうか。どんな仕事をすることになるのか、どんな生活を送っていくことになるのか。就職活動に取り組んでも、なかなか実感が湧きづらいかもしれません。

学生の中には、また若手の社会人の中には、学生から社会人への急激な変化、考え方や価値観の違いなどに思い悩んでしまう人もいるようです。しかし、それもそのはずです。それまでの学生生活においては、なかなか「ビジネス」というものを意識する機会がないためです。

就職活動というのは、いわばその「学生」から「ビジネス」への転換期だと考えられます。

では、その転換期にどのようなことを考えれば良いのでしょうか。どんな会社に就職すれば良いのか。学生生活から、社会人生活へと移っていく中で、どんなことを意識すれば良いのか。そういったことになんらかのヒントを与えられればと思い、今回のようなタイトルを付けました。

この連載を読んで下さった方が、自分らしい人生を送るために、何らかの気づきを得られれば幸いです。

「勉強はできるが仕事ができない人」にならないために

さて、ここからが今回の本題です。

皆さんの大半は大学受験を突破すべく、長期にわたる勉強の成果を実らせて大学に入られ、その後は専門分野の勉強を継続しているのだと思います。恐らく、次の大きな目標の一つは就職ということになるでしょう。 そこに至るための活動が就職活動ということになると思いますが、ここで皆さんには様々な意味での価値観の変更が求められます。

なぜなら、学生あるいは受験生としてとして優秀、つまり「勉強ができる人」と、社会人として優秀、つまり「仕事ができる人」というのは似て非なるものだからです。

つまり世の中には下の図のように大きく4通りの人がいることになります。特に着目すべきは、右上の「勉強ができないが仕事はできる人」と左下の「勉強はできるが仕事ができない人」です。

勉強ができることと仕事ができることが違うが故にこのような人たちが世の中に少なからず存在しているわけです。

図1

ある意味社会人にとっては当たり前のことなのですが、もしかすると学生の皆さんには意外に思われることもあるかも知れません。それは、一生懸命勉強してきたことの目的の一つが「いい仕事に就くこと」であり、当然そこでいい仕事をすることだったからです。

もちろん今まで学生時代に勉強してきたことは、(直接的でという意味ではなく、広い意味で長期的かつ間接的に、また知識そのものでなく「学び」という経験そのもの等が)仕事でも役に立つはずですからそれは安心して下さい。

ところが、これまでよいと思ってきた価値観の一部を真っ向から否定しなければいけないこともあります。 では具体的にそれら2つはどのように違うのか、確認していきましょう。

「勉強」と「仕事」における価値観の違い

図2

最も基本的な価値観の違いは、学問や試験の世界において最も重要なことは「正しいかどうか」であるのに対して、実社会においては「役に立つかどうか」であることです。

概ね「正しいこと」=「役に立つこと」ではありますが、あたかも先の図1と同様な構図で、「正しいが役に立たないこと」や「間違っているが役に立つこと」が世の中にはたくさんあるということです。

典型的な例が「スピード」に関しての優先順位です。実社会では「60点でもいいから今すぐやってしまう」方が、「来月に100点のことをやる」より良い場面はたくさんあります。

他にも例を挙げていきましょう。

問題に対する考え方も違います。試験の世界では問題は誰かから与えられるものであり、そこで満点を取れるのが勉強ができる人です。しかし、ビジネス等の世界ではそれだけでなく自ら問題そのものを発見して、解決できるように定義する力がより重要です。

ところが「与えられた問題を解く」ことに慣れてしまっている人たちには、「問題は与えられるものである」という認識が強く残ってしまっているために、自ら問題を探しに行くことへのハードルが高くなってしまっているのです。

過去に蓄積された知識をたくさん覚えるのが試験勉強だとすれば、そのような知識をどのように役立てるかを自ら考えることが重要なのがビジネスの世界です。

実はここにある意味最大の落とし穴があるのです。

それは「知識を身につける場合の価値観」と、「知識を元に『自分の頭で考える』場合の価値観」が全く正反対であるために、皆さんがこれまで善であると思ってきた価値観を破壊して、「ギアを逆転」させる必要が出てくるからです。

本連載では具体的にどのようにしてこれまでの「受験脳」を破壊する必要があるかを解説していきます。

「価値観の違い」を認識し、自らの考え方を転換せよ

他にも、価値観が正反対である例は山ほど挙げることができます。

学問の世界は黙々と一人でやることも可能ですが、仕事の世界ではほとんどの場合、多数の他者を巻き込んで進めなければならない場面がほとんどです。

さらには学問の世界ではほとんど無用の、感情や人間心理を駆使した「不合理」なことが非常に重要になってくるのも仕事の世界ならではの考慮事項だと思います。

「正解がある」学校の勉強の世界では論理や客観的なデータが判断基準の全てであるということが大前提です(Aさんは好きだから優(A)で、Bさんは嫌いだから可(C)ですなんていう成績のつけ方はあり得ないですよね?)。

「そんなの当たり前だ」と思うかも知れませんが、ビジネスの世界は意外なほどに感情や心理で動いています。例えば何が売れて何が売れないかというのは理屈で全て説明できるわけではありません(自分が商品やサービスを買う側の立場になると、よくわかると思います)。

上司から部下の評価だって、建前は客観的であるということになっているかと思いますが、そこは人間のやること、間違いなく「好き嫌い」というものが(価値観が同じかどうかを反映するという観点でも)評価に大きく影響しているはずです。

ここまで挙げてきたような価値観や考え方の転換がなぜ必要なのか、あるいはそれはどんな場面で求められるのか。そういったことを、具体例も交えながら今後の本連載で一つひとつ紹介していきたいと思います。

次回記事:「川上→川下」という視点

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